山本教行さんはその人生をもって「民藝」の道のりを生きてきた最後のひとです。
――平松洋子
鳥取の山あいに、全国の器好きが通う窯元がある。年間一万人が足を運ぶ、岩井窯・山本教行が積み重ねてきた美しい暮らしのつくり方。
岩井窯 レシピ付/喫茶の土鍋メニュー・おうちの定番ごはん
Ⅰ. 暮らしを見つめる
Ⅱ. 自分でつくる
*岩井窯の土鍋レシピ
Ⅲ. ものと付き合う
Ⅳ. 見る目を養う
*岩井窯のおうちごはん
Ⅴ. 人とつながる
目次
いつも、ここに、ただ生きて
Ⅰ. 暮らしを見つめる
ずっと自分の暮らしがしたかった| 人生を決めた吉田璋也先生との出会い | 民藝の先生方のファッションに憧れて | 陶工の道を志して出西窯へ | 暮らしにその人が表れる | ゼロからふたりで築いた暮らし
Ⅱ. 自分でつくる
見えない「含み」は暮らしから形づくられる | 作陶の原点を教えてくれたリーチさん | 目の前の材料で何ができるかを考える | つくったところからが本当のはじまり | ものから栄養をもらう | ふつうのたい焼きでふつうじゃないたい焼きをつくる
*岩井窯の土鍋レシピ
土鍋焼ビビンバゆば雑炊 | 粕汁 | 特製あんこ/そばがきぜんざい
Ⅲ. ものと付き合う
うつわのよさはうんと使わないとわからない | ものには見合った重さがある | 「壊れない」ではなく「壊さない」を教える | 「便利」より「情緒」が暮らしを豊かにする | ものを買うことは人生のひと区切りを買うこと | つくるものと選ぶもので物語を編む
Ⅳ. 見る目を養う
自分にとっての「おいしい」が本当においしい | テーマを絞って集めてみる | 見る目を教えてくれた金津滋さん | 流れのなかで料理とうつわを組み立てる | いいものを買うとものさしができる | 背伸びをするから身の置きどころがわかる
*岩井窯のおうちごはん
トマトの中華スープ | じゃがいもとねぎのシンプルコロッケ | かれいの蒸し焼き グリーンソース添え | 塩さばのアヒージョ/塩さばのアヒージョと甘えびのピザ
Ⅴ. 人とつながる
響き合うから生涯続く縁になる | 言葉ではなく場から感じてもらう | 注文は人を育てるもの | 「おかげさまで」という民藝の思想
あとがき
岩井窯の歩み
クラフト館 岩井釜案内/岩井釜 取扱店一覧
著者プロフィール
山本 教行 (ヤマモト ノリユキ) (著)
1948年鳥取県生まれ。16歳で吉田璋也に出会い、民藝の思想に感銘を受ける。18歳でバーナード・リーチに会い、陶芸家を志す。67年より島根県の出西窯で修業、71年に鳥取県岩美郡岩美町で岩井窯を開く。98年、窯と工房、作品展示館、参考館、喫茶と食事処からなる「クラフト館 岩井窯」を設立。全国各地で個展を開き、多くのうつわ好きを魅了する作品をつくり続けている。